No. 006

下肢静脈瘤を放置してはいけない

No.006 下肢静脈瘤を放置してはいけない

放置してはいけない、下肢静脈瘤

まず、下肢静脈瘤は放置してはいけません。以下にその理由を詳細に述べますが、説明会でも真っ先にお見せするのが、放置した方の足の写真です。
よく早期に治療しましょう!と言いますが、下肢静脈瘤の場合の早期とは、皮膚病変が出る前、つまり、足に赤い湿疹ができたり、色素沈着で黒くなる前の状態です。早期治療にこだわるのは、皮膚に変化が出る前のボコボコ血管だけの状態であれば、レーザー治療で痛みなく、きれいに治すことができるからです。しかし、湿疹がある方でも、かゆみなどはレーザーで逆流を止めた当日の夜から消失しますので、できるだけ早く逆流を止め、循環を正常化することをお勧めします。

下肢静脈瘤を放置するとどうなるの?

下肢静脈瘤を放置するとどうなるのかは、下肢静脈瘤がどのように進行していくかがわかれば、理解も早いです。まず、遺伝因子や妊娠、立ち仕事などで静脈の弁が壊れて、血液が逆流します。血液が逆流すると、きちんと血液が流れない状態になり、血液は静脈の中を行ったり来たりすることになります。これを静脈血のうっ滞と言います。

一度、静脈血がうっ滞すると、どんどん血液が溜まるようになり、どんどん圧力がかかってきて、血管が膨らんできます。これがコブ・瘤の形成です。このまま放置すれば、人間は立って生活しているので、重力でどんどんどんどん足の血管に圧がかかり、血管が膨らんで、範囲も広がっていきます。その後、膨らみ切った時点で、血管には小さな穴が開いているので、血液が漏れ、皮下脂肪に様々な血液成分が沈着します。血液中にはフェモジデリンなどの鉄分などもあるので、さびのように色を付けます。これが色素沈着です。また、静脈血は動脈と違い酸素が少ない血液なので、ふくらはぎの筋肉が酸欠状態になります。この酸欠状態が原因で、ある人は足がつるし、また、ある方の足の疲れや重だるい感じの原因となります。

もっともっと酸欠状態になると、脂肪に沈着した鉄分が固まってきます。これをLipo-dermato Sclerosis:皮膚脂肪硬化症といいます。この時点で皮膚は黒く色素沈着しているので、外見上は黒くて硬い机の様な皮膚になっています。この状態になると、ちょっと引っ掻いただけでも、その傷が慢性化し治らなくなります。これが皮膚潰瘍です。

この傷をして、潰瘍になって、治って、ということを繰り返していくと、足の皮膚や皮下脂肪の弾力は全てなくなり、硬い棒のような足になってしまいます。ちょっと触ってもずきんとした痛みを感じるようになり、歩くこともままなくなります。この状態では歩けなくなり、次第に寝たきりになってしまいます。寝たきりになり、全身状態がより悪化すると、抗生物質の効かない菌で感染症を引き起こしたりします。この頃には全く治癒力のない黒く硬いだけのミイラのような足になっていますから、敗血症という全身が感染している状態になった場合は、感染源である足を切断することもあり得ます。

下肢静脈瘤は保険適応レーザーで治療することができます。
まずは、専門医にご相談ください。

症例写真01
症例写真02
症例写真03
症例写真04

下肢静脈瘤は早期発見・早期治療が大切です

実はこのストーリーですが、以前勤めていた国立病院で実際経験した症例に酷似しています。このような方を一人でも減らしたい!、その使命感もあって私は毎日診療を行っています。ですから、足のボコボコ血管は放置せずに、足が黒くなる前に早めに受診してください!

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監修医師紹介

百川文健医師
横浜静脈瘤クリニック
百川 文健医師
保有資格
日本外科学会 外科専門医日本脈管学会 脈管専門医 / 下肢静脈瘤 血管内焼灼術指導医
経歴
2006年弘前大学医学部医学科卒業
2007年東京慈恵会医科大学付属病院初期研修
2009年東京慈恵会医科大学柏病院外科勤務
2010年厚木市立病院外科勤務
2011年春日部市中央総合病院外科勤務
2012年東京慈恵会医科大学柏病院外科、血管外科勤務
2014年東京慈恵会医科大学付属病院外科、血管外科勤務
2015年厚木市立病院外科、血管外科勤務
2017年埼玉循環器呼吸器病センター血管外科勤務
2020年横浜静脈瘤クリニック 院長